三国時代の将軍号

※これは、三国時代における将軍号をまとめたものです。

※これらの全ての内容は、宝島社より出されている「三国志曹操孟徳伝」を抜粋、および一部加筆したものです。

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※下に一部将軍号についての解説を掲載しています。

 

官品

官名と職掌

1品 大将軍
 ・・・上公。最高の将軍号。政権の最高責任者が就官することもある。
2品 驃騎将軍、車騎将軍、衛将軍
 ・・・文官の三公に匹敵する武官の最高官。
撫軍大将軍
 ・・・驃騎、車騎、衛の三将軍に次ぐ武官職。
中東大将軍、上軍大将軍、鎮軍大将軍、南中大将軍、輔国大将軍
 ・・・常設せず。
征東、征南、征西、征北将軍
 ・・・四征将軍と呼ばれ、代表的な方面軍司令官。
鎮東、鎮南、鎮西、鎮北将軍
 ・・・四鎮将軍。四征将軍に次ぐ地位を持つ。権限は四征将軍と同じく方面軍司令官である。
3品 安東、安南、安西、安北将軍、平東、平南、平西、平北将軍
 ・・・四安、四平将軍。権限は四征将軍と同じく方面軍司令官である。
前、後、左、右将軍
 ・・・伝統的将軍号。従公将軍といわれ、文官の九卿に匹敵。
征蜀、征虜、鎮軍、鎮護、安衆、安夷、安遠、安寇、平戎、平虜、輔国。都護、虎牙、軽車、冠車、度遼、平狄、平難将軍
 ・・・ある目的に応じた将軍号。異民族の討伐が多い。度遼将軍のような伝統的な将軍号を含むが、かなり雑号的な要素が多い。
4品 中堅、驍騎、遊撃、左軍、建威、建武、振威、振武、奮威、奮武、揚威、揚武、廣威、廣武、寧朔、左積弩、右積弩、積射、強弩将軍
 ・・・雑号将軍。その中でも官品が高いもの。
5品 牙門将軍、偏将軍、裨将軍
 ・・・伝統的将軍号。部将が任命される。
鷹揚、折衝、虎烈、宣威、威遠、寧遠、伏波、虎威、凌江、盪寇、昭武、昭烈、昭徳、打逆、討寇、宣徳、威虜、破虜、捕虜、揚烈、建忠、立義、懐集、横野、樓船、復土、忠義、建節、翼衛、討夷、懐遠、綏辺将軍
 ・・・伏波、樓船は伝統的将軍号であるが、これらは全て雑号将軍。これ以下の将軍号は、官品が不明なため省略。

 

驃騎、車騎、衛
 ・・・驃騎兵という言葉があり、今は軽騎兵。つまり身軽な騎兵部隊のことであり、車騎は兵車と騎馬。衛は守るという意味から、かなり重要な役割を果たす部隊の隊長であることがわかる。
鎮軍・輔国
 ・・・軍ヲ鎮メル、国ヲ輔(たす)ケルという意味。
征、鎮、安、平(東西南北)
 ・・・東西南北はその攻める方角をあらわす。征は征圧するという意味。鎮はおさえるという意味。安は安らかにする=平和にするという意味。平は平定するという意味。
3品、4品、5品関係
 ・・・それぞれ訓読文に直すと、意味が通じる場合が多い。
その他
 ・・・牙門:大将軍の陣営。